最終更新日 1999年12月28日 |
昔話-船上山の古戦場【赤碕町、名和町】 |
ひっそりとした旧跡に伝わる伝説や説話。そこには歴史の時をさかのぼる扉がある。 |
【昔話を探る】 船上山の古戦場【赤碕町、名和町】 まぁ、聞きない。赤碕に船上山という高い山がそびえとってなぁ。今から六百年も昔のこと。後醍醐天皇さんが幕府をたおそうと、兵を挙げなったけど失敗してな。隠岐の国に島流しになってしまっただって。天皇さんは何とか島を脱出しようと、お局のお産が近づいたので、民家に連れて行かなならんといって、お局が乗るこしを用意させなった。幕府の者もすっかり信じてなぁ。天皇さんは、まだ夜の明けない間に、そのこしに乗って海岸に出て、とうとう島から脱出しなったそうな。
天皇さんを乗せた小舟は、伯耆の国の海岸に無事に着いてなぁ。名和におった名和長年という忠義な武将とともに、船上山にたてこもりなったげな。名和長年は山の木を切りたおして垣をつくり、長くて白い布にいろんな紋所を書いたのぼりを数千本もつくって立てよっただって。そのうえ山のあちこちから煙をあげ、たくさんの軍がいるように見せかけたそうな。 大山寺の僧兵たちもかけつけてきてな。戦いはとうとう天皇さんが勝ちなって、無事に京都に帰られたそうな。昔こっぽり。
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