最終更新日 1999年12月28日

ガラス工芸家-大谷治さん【日吉津村】
ガラスの幻想的な魅力をさりげない存在感に 

【技に生きる】
ガラス工芸家 大谷 治さん

大谷 治 おおたにおさむ
昭和30年生まれ。赤崎町出身。米子工業高等学校卒業後、東京の大手精密機会会社に就職するが、「会社が大きすぎて合わなかった」ため、1週間で退職。退職後、知人を通しステンドグラスと出会い、「遊び感覚で」はじめる。帰郷後もバイト生活の傍ら創作活動を続け30歳で独立。平成4年、日吉津村に念願のアトリエを建設し、現在に至る。
平成11年鳥取県美術展覧会奨励賞受賞「錦秋」

ガラスの幻想的な魅力をさりげない存在感に

「いや、なんかずっと前からここにあったような気がするわ」。住宅の窓を取り付けに行ったとき、施主の奥さんが、ふと洩らしたこの言葉が、大谷さんの作品を象徴する。さりげないこと、主張しすぎないこと。建物、景色、調度品、施主の趣味趣向‥‥、そのすべてとのバランスを考えながら、デザインを作り上げる。大谷さんのステンドグラスは単体で存在するのではなく、光や緑を取り込んで、はじめて完成する。
25年前、ステンドグラスと出会ってから、大谷さんはほとんど自己流で技を磨いてきた。回り道もたくさんしてきたと思う。「僕のやり方には邪道もたくさんあるでしょう。逆にそこが面白いんです」。

住宅関係をメインに皿やランプといった調度品も手掛ける。そんな大谷さんのステンドグラスを求めて、注文は全国から舞い込む。業者をはじめ、個人客も多く、そのほとんどが「どこかで見てきた。どこかで聞いてきた」という口コミ客。現在、注文は1年半待ちという。
ステンドグラスは、デザインに沿って素材のガラスをカットし、細かなパーツを貼り合わせていく、いわばジグソーパズルのようなもの。イメージ通りのガラスの色がないときには、金属化合物をガラスに溶かし色を作る。手間暇かけ、根気を要する作業。どんなに忙しくても苦にはならない。作っている時間が、何よりも楽しいのだ。

「ガラスの魅力は何といっても光を通すこと。それから、はかない一面と、逆に石に近い質感や迫力もある。素材の可能性はまだまだです」。テクニックに走った時代を卒業し、肩の力が抜けたいま、素材をいかに引立たせてかあげるかにそのすべてを集中する。大谷さんのなかで作りたいものは、まだまだ限りない。

■お問合せ スタジオ イマージュ TEL0859-27-5665

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