最終更新日 1999年12月28日

革細工職人-木村龍雄さん【境港市】
出会いに感謝し、職人に徹する 

【技に生きる】
革細工職人 木村龍雄さん

木村龍雄 きむらたつお
昭和25年生まれ。福岡県出身。東京、米子の広告制作会社に勤務し、主にグラフィックデザイン、イラストレーションを担当。「一人の人のために、ひとつの仕事をしてみたい」と、十数年のサラリーマン生活から一転、33歳から革細工の世界へ。革の工房で8年間技術を学び、41歳で独立。境港市在住。

出会いに感謝し職人に徹する

独立して6年、木村さんはどんな仕事でも引き受けてきた。「お客さんが望んでいることを100%カタチにするのが自分の仕事。自分の技術でどれだけその望みに近づけるかです。」

工房に置いてあった、珍しいエイの革のバッグが、そんな木村さんの仕事への姿勢を凝縮している。お客さんの要望により、はじめて手にする石のような硬さの素材を前に、ミシンの針を何本も飛ばしながら、木村さんは悪戦苦闘する。技術と経験、そして、さまざまな試みを集約し、たぶん世界でひとつであろうそのバッグが完成した――。職人に徹すること。それが木村さんの信念であり、誇りであることが伝わってくる。「江戸時代の職人の長屋っていうのは、人間国宝級の錚錚たる面々がズラリいたわけですよ。そこに庶民が頼みにくる。そういうの、いいでしょ。」

木村さんが手にする素材は、牛革、ヘビ革、ワニ革、ピグスキン‥‥、とさまざま。牛革一枚をとっても、首、尻尾、背中、お腹など場所によって硬さ、伸縮性が違ってくる。その素材をいかに見極め、持ち味を生かしてあげるかが、革細工の難しさであり、面白さであるという。「ある意味完璧なものを作ったことがないかもしれない。やればやるほど、まだまだ先に引っ張っていくものがある。やってて楽しいですね。」

独立してから無我夢中でやってきたが、ここ1〜2年ようやく落ち着いてきた。“木村”を求めて工房を訪ねてくれる人たちがいることを、心の底から幸せだと思う。「この生活をずっと続けたいから、いま頑張っています。」

■お問合せ 工房アルクス TEL0859-42-4015

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